足関節捻挫
スポーツ外傷の中で切挫創を除いて医療機関を受診する部位は、足関節に関わるものが最も多く、次いで膝関節、そして腰部と肩関節がほぼ同数になっています。
足関節捻挫の80%程度が内反捻挫と言われていますが、解剖学的、構造学的、バイオメカニクス的、スポーツ動作学的に考えられる理由として下記の事があげられます。
内反捻挫の多い理由
- 内反の関節可動域が外反より大きい。
- ジャンプの着地など底屈位で内転・内反をとり受傷機序となる。
- ストップ動作では足部内転位をとりやすく、小趾側に荷重がかかりやすい。
- ストップ動作で足趾が屈曲しやすい選手では内側縦アーチが上昇し、内反しやすい位置になる。
- 底屈の関節可動域が背屈より大きく、底屈位で距骨が不安定になる(背屈位で距骨ドームが関節窩にはまり込み安定する)。
- 外側の靭帯が内側の三角靭帯より粗。
- 腓骨は長く下方に伸びているが、脛骨に比べて関節面の幅が狭く不安定になりやすい。
内反捻挫の受傷機転
内反捻挫の受傷機序を分析すると、ストップ動作、サイドステップ、ジャンプ着地、踵部でものを踏みつける、段差などからの転落時などで起こっています。
これらの動作をまとめると
a)足関節底屈位で損傷しやすいこと、
b)足関節内転位で損傷しやすいこと、
c)中間位で側方から内方に向かった力が加わった時に発生していること、
d)体重が足部、足関節に加わった閉鎖性運動連鎖系(CKC)の局面で発生していること、などに集約出来ます。
着地動作などの足関節底屈位では前距腓靭帯(ATFL:anterior talofibular ligament 底屈位内反)と踵腓靭帯(CFL:calcaneofibular ligament 中間位内反)、サイドステップなど足関節底・背屈中間位での内反ではCFLの損傷が起こると知られています。
足関節捻挫とスポーツ復帰に要する期間
重症度 | 損傷の状況 | 疼痛 | 腫脹 | 治療方法 | スポーツ復帰期間 |
---|---|---|---|---|---|
Ⅰ度損傷(軽度) mild |
靭帯の瞬間的伸張で部分損傷あり 機能的損失少ない |
軽度 | 軽度 | 安静 テーピング、サポーター固定 |
1週間程度 |
Ⅱ度損傷(中程度) moderate |
靭帯の部分断裂 関節不安定性あり 機能的損失あり |
急性期は強い | 軽度~強い | 理学療法 | 2~6週間 |
Ⅲ度損傷(重度) severe |
靭帯の完全断裂 関節の不安定性大きい 機能的損失大きい |
急性期は強い | 強い | 理学療法 観血的治療 |
2~3ヶ月 |
Ⅱ度損傷の場合の理学療法
期間 | 治療内容 |
---|---|
直後~ | 安静、圧迫、寒冷療法、免荷歩行、固定(ギプス、テーピング装具) |
1週~ | 荷重歩行、ワールプール、筋電気刺激、低周波治療、足関節背屈確保(自動運動、ストレッチボード、チューブ引き)、タオルギャザー、前頚骨筋・腓骨筋群強化 ※日常生活ではテーピングや装具を使用 |
2週~ | 全荷重、足底筋強化 ※症状に応じたテーピングなどの使用 |
3週~ | ランニング開始、スポーツ基本動作の再学習を行い徐々にスポーツ復帰を許可 ※腫脹、疼痛が無いことが条件 |
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